RNA-Seq解析のメリットは
RNA-Seq解析とはRNAの塩基配列を解析することですが、これはそのRNAからどのようなタンパク質が合成されようとしているのかを知ることができます。
タンパク質が生体内で果たす役割には非常に大きいものがありますので、それに対して重要な情報を提供することになるわけです。
タンパク質そのものを解析すれば良いではないかと思うかもしれませんが、その細胞中に以前から存在しているものとの区別が付きにくいために、これでは今まさに合成されようとしているタンパク質のみを捉えることは困難です。
また、タンパク質は一旦合成されると、複雑な三次元的立体構造を取るものが多く、アミノ酸配列を知ることは容易ではありません。
RNAであれば基本的には1本の鎖のようなものですし、今まさにタンパク質を合成しようとしているものだけが解析されるというか、タンパク質合成に用いられた後は生体内では速やかに分解されてしまいます。
逆にDNAを解析することとの比較はどうかと思われるかもしれませんが、これにもメリットはあるものの、やはり同じように現にタンパク質の合成が進行しつつある状況を捉えることは、DNA解析では困難です。
DNAはタンパク質の合成が強まったときでも全く必要とされていないときでも同じレベルで存在しているためですが、この点、RNAであれば必要時に必要なだけ合成され、用が済んだ後には速やかに分解されるためタイムリーな解析が行えます。
